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(株)オーシャンアイズは2020年4月から、持続可能な海洋・水産産業を実現するため、一緒に働いていただける方を探しています。この採用募集開始に伴い弊社メンバーから、各募集内容に関して現在の開発内容やお任せしたい事、今後目指したい方向までを、メッセージとして寄せました。募集内容や弊社へ興味を持ってくださった方には、是非ご一読ください。

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1.サービスシステム開発技術者
2.海洋画像処理の開発技術者
3.海洋数値モデル開発技術者
4.営業担当者(直販・代理店管理)

海洋分野への強い興味と関心があることが、大事なファクター
3.海洋数値モデル開発技術者

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(株)オーシャンアイズ 代表取締役の田中裕介です。元々私の専門は、海洋における温度変化や流れ、その変動です。このオーシャンアイズで提供している海況予測の受託サービス「SEoME(しおめ)」は、私のやってきた研究をコアにして、サービス部分を付け足す形でリリースしたものです。天気予報や海洋予測状況などの比較的一般的なデータを集め、JAMSTECのスパコン(地球シュミレーター)を使い、毎日5日先までの予測計算をしています。この計算に使う海洋モデルを一緒に作ってくれる人を、現在募集しています。

海洋モデルはやっている人が少ないので、経験が無い方の方が多いと思います。ですので、海洋モデルそのものをやったことがない方にも是非ご応募頂きたいのですが、その際に、海洋分野、海や漁業、気候変動などへの興味関心があるかどうかは、とても大事なファクターになってくると思っています。

例えば、計算モデルを作る時には、空間を四角いメッシュに区切って、1つ1つの範囲を「陸」や「海」と決めなければなりません。今運用しているのは1.7kmメッシュですので、沿岸ですと実際には海と陸が半々ぐらいのこともあるわけです。でも港があるところを「陸」としてしまうと、漁業サービスにとっては明かに不都合ですよね。そういう現場感覚を式に当てはめてやって、最新のスパコンで計算するということをやっています。海洋分野への強い興味を持ちながら、論文を漁って読んでいける人は、オーシャンアイズで面白く仕事をしてもらえるんじゃないかと思っています。

漁師の勘と経験を、科学者の勘と経験で数値化していく

使っている方程式は、基本的にたった3つです。運動方程式を流体向けにした「ナビエ・ストークス方程式」と、それを海洋に対応できるように簡単化してエッセンスだけを取り出し、単純な地球の自転の影響なども考慮した「プリミティブ方程式」。そしてもう1つは「移流拡散方程式」です。雨や日照によって海水の塩分濃度が変わることで、水の密度が変わり、圧力が変わります。その圧力が水平方向に変化することで流速に反映され、それが反映されることで別のパースに変化があって、同じような流れでまた流速に変化が生じる…ということを表した式です。これを現場に即して細かくチューニングしていかなければなりません。
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地域ごとに、特徴のある海況現象には現場の漁師さんが名前を付けていたりしますのでそれを反映させたり、現場から出てくる「ここでシラス取れないって出てるけど、実際には取れてるよ」等の現実に、計算式を合わせていく方向で直します。観測データがないと検証もできないので「船で計測しているデータを吸い上げさせてもらえませんか」とお願いして観測データを集めたり、取ってもらうことも含めて一緒にやって、精度を上げていく感じです。その他にも、計算上「変な」ものが出てしまっている時は直しています。最近だと、あるはずのない「渦」がでてしまっていたので、どうやったらそれを消せるのか試行錯誤していました。
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そういうのを直す方法は…ちょっと矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、勘です(笑)。「漁師の勘と経験を数値化します!」といいながら、そういうところは科学者としての勘と経験でやってるんですよね(笑)。とはいえ、ポイントみたいなものは勿論あります。まずは物理法則から考える。おかしくなっている理由が必ずあるはずので、こうなっているからにはこういう物理法則が働いているはずだから、それを直すにはどうこをどういじればいいのか、ということを議論してチューニングしていくことになります。

海ってすごく広いので、わたし1人では、当然、全ての海をチューニングすることはできないですよね(笑)。現状では、せっかく現場から頂いたフィードバックを全て検討することも難しい状態です。将来的には「自分は北海道やるから、君は九州よろしく! 四国は君よろしく!」くらい、分業したい。海や海況分野に興味がある方、是非ご応募ください。

画像AI処理経験者の方と、海洋画像処理の実装/改良を進めたい
2.海洋画像処理の開発技術者

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(株)オーシャンアイズ 共同設立者の飯山将晃です。オーシャンアイズで事業展開しているサービスのうち「漁場ナビ」は京都大学 学術情報メディアセンター飯山研究室が持っている「人工衛星からのデータをうまく加工して漁業者に提供する」という技術を利用しています。ただ単に衛星から受信したデータを右から左に流すのではなく、AIを使って「もっと賢い情報」を表示してやるという処理です。

現状の技術的には、研究室で開発したものをそのまま持ってきているのですが、実際現場でどういうデータが欲しいかという要望は変化していきますし、もちろん改良も進めないといけない。そこで、今回の募集では、このようなことをやってくれる方を採用したいと考えています。

画像を使って何かAI処理をした事がある方がベストですね。「漁場ナビ」で利用するのは衛星画像ですが、これまでの経験上レントゲン画像や車載カメラでも大丈夫です。もうちょっと条件を緩くするとしたら、そういうことを進んで勉強できるような方にご応募頂けるといいですね。論文を読んで何か考えるというよりは、飯山研究室と密接に関連しつつ、その研究成果を実装するという役割になります。

現場からも色々な要望が来るので、柔軟にやることを切り替えていかなければならない。何か仕様が決まっている中で、それに従って実装するということはほとんど無く、ある程度フワッとした目的があって、それに対していろいろ勉強しながら試行錯誤することになると思います。そういうことが好きな方に「海洋画像処理の開発技術者」へ応募して頂けると嬉しいです。AIコンペとかに積極的に参加して、賞金貰ったりするのが好きな人が来てくださったらいいですね!

プロトタイプ作成と実装を早いサイクルで回す、サービスシステム開発者、急募
1.サービスシステム開発技術者

正式リリースされた漁場ナビの操作風景(画面は開発中のものです)


(株)オーシャンアイズ 共同設立者の飯山将晃です。「サービスシステム開発技術者」は、画像処理で作った「賢いデータ」を、いかにうまく漁師の方に見せていくか、というフロントエンドシステムの開発技術者の募集です。今は常勤が居なくて、私を含め土日しか動けないメンバーだけで実装しているので、この度、常勤を採用したいということになりました。

想定しているのは、「ウェブサービス構築経験のある方」です。とは言っても、いろんな経験の方がおられるのかなとは思いますので細かい話をすると、地理情報サービスの開発経験がある方は大歓迎です。地図とかにいろんな情報を乗せて配信した経験があると嬉しいですね。その他、海洋分野のサービス開発ということで特徴的なのは、「ネット回線がほとんど無い」というユーザーニーズでしょうか。こういう状況を加味した対応を出来る方が来てくださるといいですね。今、ご利用頂いている漁業現場からは「ここが見づらい」など、様々な要望が来ます。全て対応するのは難しいですが、どこからも共通して挙がってくる要望というのはあるので、そこを早いサイクルでプロトタイプを作ってくれる人が欲しいですね。

オーシャンアイズはまだまだ小さい会社なので、色んな事を一人でやらないといけない可能性が高いです。「大きいチームの一員でずっとやってきました」という方よりは、「フリーランスでやってきたけど、このプロジェクトは面白そうだから参加したい!」というような方の方がたぶんイキイキと活動できるんじゃないかと思ってます。まずは興味を持って頂いた方、ご応募をお待ちしております。

専任の法人営業は、日本全国の漁業者さん行脚のため免許必須
4.営業担当者(直販・代理店管理)

(株)オーシャンアイズ 取締役の笠原秀一です。弊社では現在、漁業者さん向けの営業を専任でやってくださる方を募集しています。“漁業者向け”といっても、比較的、普通の法人営業に近いと思います。ただ、全国に散っている遠洋漁業者の現場まで行ってもらって、商談をまとめてアフターケアを行うことがミッションになるので、必須条件となってくるのは車の免許。日帰りではとても無理な場所ばかりで、とにかく、足を運ぶということが、すごく大変なんです。

例えば宮崎の場合はお客さんのいる漁港まで宮崎空港から車で2時間、高知の漁港も室戸岬の付け根辺りなので、高知空港から車で3時間半程かかります。京都の宮津なら、京都市内から車で2時間半。三重も南部の方は、最寄駅から2時間かかります。車でワインディングロードを走るのが大好きな人が来てくれると嬉しいですね。車に技術スタッフや経営メンバーの誰かを同行させて、現地を回っていくというのがこれまでのパターンです。また、漁業者だけではなく、各地の水産試験場にも行かなければなりません。九州など西日本の案件が多いですが、北海道からも話が来ていますし、日本海側や、海外も視野に入れています。

直営以外の販路としては、商社など代理店として入りたいとお声掛け頂いているところやOEMでの販売などの候補も出てきています。SEAoMEの様に、海洋関連の企業や官公庁向けに、システムの仕様や販売条件を詰めたりだとか、先方に同行してエンドユーザーサービス説明をすることも出てくると思います。

2020年4月現在、COVID-19の感染が拡大しているため、リモートで販売が完結できるように方法を検討しています。WebでのEC販売などリモートでできることはできるだけ移行させるつもりです。船に乗っている間は船舶電話やナローバンドインターネットなどしか使えない漁業者さんも多いので、そのケアも含め、一緒に検討して頂ける方をお待ちしています。